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日常生活で
気をつけること

食事、睡眠、運動など、日ごろの生活習慣は、乾癬の症状に大きく関わっているといわれています。日常生活を過ごす上でどのようなことに気をつければよいのか、症状を悪化させないための工夫や注意点について見ていきましょう。
皮膚にやさしく。
乾癬の症状が出ていない皮膚でも、引っかいたり傷をつけたりすると、しばらくして、そこに新しい乾癬ができることがあります(これをケブネル現象と呼びます)。 また、傷以外にも衣服、靴、メガネなどとの摩擦、やけど、虫刺されなどで乾癬が悪化することがあるため、日常生活では、皮膚への刺激はなるべく少なくするようにしましょう。
適度な日光浴を。
紫外線は、乾癬の炎症をやわらげたり、皮膚の新陳代謝を抑えたりするだけでなく、乾癬の皮膚を正常に戻す作用がある活性型ビタミンDを作ってくれるものでもあります。 ただし、日光を強く浴びすぎると日焼けや発汗により、かえって悪化の原因になることがあるので、主治医に相談して行いましょう。
バランスのとれた食事をとろう。
乾癬患者は、腹囲、血糖値、血圧、中性脂肪・コレステロール値が一定の基準を超えている「メタボリックシンドローム」の人が多い傾向にあります。肥満は、乾癬の皮膚症状や関節炎を重症化させたり、さまざまな治療の効果を下げたりすることもわかってきているため、症状を抑え、治療の効き目を保つためにも、できるだけメタボにならない食生活や日常生活を心がけることが大切です。
お酒は量に気をつけて、タバコは控えよう。
お酒は量に気をつけて
タバコは控えよう。
乾癬患者は、比較的飲酒量が多いというデータもありますが、お酒と乾癬に関する明確な研究結果はまだありません。ただし、乾癬と非アルコール性脂肪肝炎(ほとんど飲酒をしていないにも関わらず、アルコール性肝障害のように、肝臓へ脂肪が蓄積し炎症が起こる病態のこと)には大きな関係があることがわかっています。重度の乾癬で脂肪肝があり、内科の先生から飲酒量について注意されている患者は、お酒の量を抑えましょう。
加えて、タバコを吸う人の中でも、特に喫煙歴が長く、本数が多いほど乾癬になりやすいというデータがあり、喫煙は乾癬の引き金になりうることがわかっています。また、タバコによる治療効果の低下や重症化の可能性を指摘するような報告もあるため、タバコを吸っている方は、治療のためにも禁煙するようにしましょう。
乾癬を悪化させる因子
上気道炎
20%
精神的ストレス
31%
掻破
33%
月経(女性のみ)
22%
薬剤
6%
過労・寝不足など 
27%
飲みすぎ
16%
冬に悪化
45%
夏季に悪化
5%
ゆとりをもった日常生活を。
ストレスは乾癬悪化の原因と考えられています。とはいえ、日常生活の中でストレスを完全になくすことは難しいと思います。たとえば、散歩をしたり、お風呂につかったりと、ゆとりがもてる時間を作ることや、趣味や運動など、自分なりの気分転換の方法を見つけるとよいでしょう。
他の病気にも気をつけよう。
欧米の研究では、乾癬患者の3割が不安神経症、2割がうつ病、高血圧、1割程度が肥満、心血管系疾患と報告されており、乾癬患者は、さまざまな疾患が併存しやすいとされています。また日本の研究でも、乾癬患者は糖尿病、高血圧、脂質異常の人が多いとされており、冠動脈の異常、心筋梗塞が多い傾向があるようです。 また、最近では乾癬は脂肪細胞と関係しているともいわれています。脂肪細胞は単にエネルギーの貯蓄庫だと思われていましたが、最近はさまざまなタンパク質(アディポカイン)を出すことによって、免疫力を左右する存在であることがわかってきました。 アディポカインには善玉と悪玉があり、善玉は2型糖尿病の原因であるインスリン抵抗性を抑えてくれる働きがある一方で、悪玉(TNFα、レプチン、レジスチン)はインスリン抵抗性を進めます。肥満やメタボなどで内臓脂肪が増えると、善玉が減って悪玉が多くなってしまうのです。残念ながら乾癬患者は、善玉が下がって悪玉が上がっているということがわかっています。
乾癬と妊娠、出産
乾癬があるからといって、妊娠しにくい、あるいは流産、早産しやすいということはありません。 また、妊娠すると乾癬はどちらかというとよくなる傾向があるとされていて、悪化するとしても大幅に悪くなることは少ないとされています。 膿疱性乾癬の場合は、悪くなってしまうことがありますが、妊娠中も外用治療は継続できますし、ナローバンドUVBなら光線療法もできます。 飲み薬、生物学的製剤による治療は、一般的には妊娠中は行いませんが、重症な患者には行うこともありますので、主治医とよく相談して治療法を決めるようにしましょう。